ストレス 実験室

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日本のメンタルヘルスと精神文化を考察する

2011.10.17 更新

日本のメンタルヘルスと精神文化を考察する

 

キーワード:

武士、『武士道』、サムライ、新渡戸稲造、内村鑑三、『代表的日本人』、イエ、企業、個人、忠誠心、近代、近代化、大和魂、国民皆兵、日本人

 

武士

・職業軍人。武力で外敵に対抗すること(戦争)を職業的に行う者。日本での発生は平安時代。貴族の荘園の用心棒として。プロの傭兵。

・江戸時代の幕藩体制のもとでの武士は、実際には戦争を行わないことが前提。制度化・様式化された「武士」。(帯刀するが実際に人を斬るわけではない。)

・また、総人口の2割ほどでしかない特殊な身分。8割は農民・町人であり、彼らは武士の文化や価値観のなかで生きている訳ではない。

・身分・制度・職業としての武士。個々人に倫理が求められているわけではない。比較的社会が安定している時代の武士。

・この時代に、現在言われている様な「武士道」の倫理観がどれほど浸透していたかは不明。

 

新渡戸稲造、『武士道』、内村鑑三、『代表的日本人』、サムライ、忠誠心

・明治に入って、身分を示す様式としての「武士」も実質的に存在しなくなった時代。外国人(主に欧米)に対して、さらに抽象化された倫理・道徳観を象徴する武士。

・「侍」が、カタカナで「サムライ」と書かれるのは、イエに対する忠誠心などを柱とする抽象化された精神の象徴。(実際に存在するわけではない)。

・新渡戸稲造の『武士道』は、このサムライの精神を欧米に紹介する目的で書かれた。内村鑑三の『代表的日本人』も同様(原書は英語)。

・歴史的な事実を扱ったものではなく、象徴としての「武士」「日本人」サムライである。

抽象化された、倫理観の象徴としての武士、サムライの概念。

 

日本人、近代化、国民皆兵、大和魂

・日本人という概念が意識されるのは、日本が明治に入り近代化が始まってからであり、形式的にも内容的にも「武士」が存在し得なくなった時期と同じ。

・幕藩体制が終わり、天皇を中心とする近代国家の建設に伴い、武士の役割やサムライ的な倫理観は、「国民皆兵」や「大和魂」といった概念へとシフトチェンジする。

・この倫理観のもとで、国民すべてが「大和魂」をもった「武士」として、イエである国家への忠誠を理想として求められる。

・第二次大戦後、民主化が進む。

忠誠心の象徴である「大和魂」は、忠誠の対象を国家から企業にシフトチェンジするが、同様の状況が続く。

 

・個々人が武士・サムライとして国家に仕える。武士の倫理観が国民一般に浸透。

制度ではなく、思想・倫理としての武士。高い倫理観が、個々人の責任としてゆだねられるが、現実には個人差がある。(→メンタル不全)

また、この倫理観は、国家の要請と一致する限りで社会的に認められる。個人がより高い倫理観を持つほど、国家の現実的な要請と齟齬をきたす。近代の知識人(→メンタル不全)

 

2010/06/24)

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