ストレス 実験室
医科大学の先生がTHQカードの有効性を実験してくれました
2011.10.17 更新
東京の医科大学の先生が、研究所の「THQカード」を使って人体の皮膚温度とストレスの関係を実験してくれました。ストレスの生体反応としてコルチゾールやアミラーゼがありますが、リアルタイムで取れるのが「皮膚温度」です。16人の被験者を使用して「12時間後の酸化ストレス度と24時間後の酸化ストレスと皮膚温度との関係を測定しました。残念ながら有意の結果は出ませんでした。後ほどデータを掲載します。
20081119 佐藤先生へ ストレスチェック結果.xls
ちなみに酸化ストレスの文献を引用掲載させていただくことをお許しください。
出典:日本臨床化学アカデミー:JACC Web NewsletterVolume 2, Number 4, March 2007バイオピリンと酸化ストレス
塩地
出 Izuru Shioji, JACC Expert Columnist
㈱シノテスト 研究開発部
黄疸などとの関連から,ビリルビンは悪者としてのイメージが常につきまとっていた。臨床検査領域でも,ビリルビンといえば肝・胆道疾患をまず思い浮かべることが多い。しかし,1987年のStockerらの報告以来,ビリルビンには抗酸化物質としての非常に有益な役割があることが分かってきた。即ちビリルビンは体内で過剰に産生された活性酸素を消去しているという考え方である。酸素はヒトのような好気性生物にとって必須な物質である。しかしこの物質は電子やエネルギーを受け取って活性酸素となると非常に反応性が高まってしまう。これがコントロールできているうちは良いが,コントロールできなくなると厄介である。抗酸化物質や抗酸化酵素の力を超えた活性酸素の産生は,脂質・核酸・蛋白質などの酸化を招き,それらの機能に障害を与える。そしてその結果疾病へと至ってしまうことも多い。
このように活性酸素の生成と消去系とのバランスが崩れた状態を酸化ストレスという。
ビリルビンはそれ自体が活性酸素と反応し,酸化されることで活性酸素を消去している。従ってビリルビンが活性酸素を消去するとビリルビンはその酸化物質となる。そして一部がバイオピリンと呼ばれる物質群となり,尿中に排泄されている1)。
活性酸素が大量に発生する代表的な状況に,虚血再灌流がある。これは一旦血流が止まり,その後再び流れる状態で,脳梗塞や心筋梗塞のときにも見られる。そして心筋梗塞の再灌流療法では,当日にピークを示すバイオピリン値の上昇を示した。またNYHA(New
York Heart Association)の心機能分類が上がるほどバイオピリン値は高くなり,BNPとの相関も示されている2)。
一方心理ストレスと酸化ストレスとの関連を示す報告がある。バイオピリンについても,スピーチストレスによってその尿中排泄量が上昇することが報告されており3),うつ病患者で高値となることも報告されている4)。動物実験では,マウスの隔離ストレスや過密ストレスなどによって,バイオピリン値が上昇することも知られている5)。
Selye博士がストレス学説を唱えたとき,ストレスは寒冷ストレスなどの生理的ストレスのことを指していた。そして疾患の特異的な症状を捉え,原因を捉え,そして治療法を開発するという流れに対し,ストレス学説はどのような疾患にでも発生する一般的な生理反応に注目した点が画期的であった。
「ストレス」という言葉を冠する酸化ストレスもその特徴を受け継いでいる。しかしこのことは,各疾患に特異的なものではなく広く疾患と関わっていることでもあり,酸化ストレス全体を捉える手法は個々の疾病の診断を行うには必ずしも向いていないということでもある。
疾患と1対1で捉えるのではなく,例えばいわゆる「未病」の一つとして酸化ストレスを見るようになれば,コレステロールを下げるのと同じように酸化ストレスを下げるという方向性が生まれるのかもしれない。酸化ストレス評価自体が様々なトライをしているが,その中でバイオピリンも真に社会の役に立つ項目へと育つことを期待している。
参考文献
1) 山口登喜夫, 他, ビリルビンの生成とその生理的意義. 生化学, 1995;67:148-51.
2) Hokamaki J, et al., Urinary biopyrrins levels are elevated in relation to
severity of heart failure. J Am Coll Cardiol. 2004;43:1880-5.
3) Yamaguchi T, et al. Psychological stress increases bilirubin metabolites in
human urine. Biochem Biophys Res Commun. 2002;293:517-20.
4) Miyaoka T, et al., Urinary excretion of biopyrrins, oxidative metabolites of
bilirubin, increases in patients with psychiatric disorders. Eur
Neuropsychopharmacol. 2005;15:249-52.
5) Miyashita T, et al., Social stress increases biopyrrins, oxidative
metabolites of bilirubin, in mouse urine. Biochem Biophys Res Commun.
2006;349(2):775-80.



THQ上下群分け 1=青、緑(N=4) 2=赤、黒(N=11)


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