佐藤隆の特別講座
- 心の発達:遺伝と環境
心の発達 ― 心と身体 行動変容の原理 ―
***人はいかに学び発達するか / 発達の心理
1.心の発達
1)心の発達を学ぶことの意味
①人生設計の立案
②生涯発達の視点から自己理解に役立つ
③他者理解に役立ち、人間関係が豊かになる
2.心理・社会的発達
①成長と発達・分化と統合、マッグローの言うように一定の順序をもってすすむ。
②成熟と学習
③ローレンツ、ヘスらの刻印と臨界期
3.発達の連続性と非連続性・量的変化、質的変化(座る、はう、立つ、歩く、走る)
①ピアジェ
②エリクソンの心理・社会的発達段階
③フロイト4.遺伝と環境の相関関係
人間の性格はどのように形成されていくのでしょうか。自分自身を振り返ってみても、親に似たところもあるし、家庭以外の周りの環境による影響もあるように感じられます。
これまでの研究では、親から受け継いだ遺伝子と生まれ育った環境が互いに影響し合うという「相互作用説」が有力です。
ジェンセンの「環境閾値説」では人間の遺伝的な素質や才能は、その能力が現れる水準(閾値)の環境が与えられるかどうかで、その発達に影響があると考えています。
たとえば、身長や知能など親の遺伝的要素が強いものは環境による影響も少ないのですが、学業成績や音感、外国語の発音などはより適切な環境が与えられないと伸びないことがわかっています。つまり、その性質によって環境による影響が高いものもあれば、低いものもあるのです。
5.双子の研究
遺伝が性格の形成にどう影響を与えるかを、一卵性双生児と二卵性双生児とで比較研究した「双生児法」があります。
これは1個の受精卵から2人の子どもが生まれる一卵性双生児と、別々の卵子と精子によって同時に生まれる二卵性双生児を、それぞれ環境によって生まれる共通の特徴と、遺伝だけで決まる特徴とが、どれだけ似るかを比較した研究です。日本でも、東京都立大学の託摩武俊名誉教授によって、別々の環境のもとで育ったふたごの研究例が紹介されています。一卵性双生児が外見や身長、体重などの身体的特徴が似るのは見てわかりますが、これらの研究では虫歯になる場所や本数まで似たり、性格や癖、運動能力などもよく似ていることが報告されています。また、生まれてから10年間に別々の家で育てられるなど、互いの接点がない双生児ほどその性格が著しく似ているという調査結果も報告されています。
2人が離れて育てられた場合には、どちらも遺伝的に受け継いだ自分のテンポやスタイル、要求が妨げられる原因は少なくなります。ところが、同じ家で育てられると、普通の兄弟姉妹がそうであるように、両親が2人の特徴をそれぞれ違う側面から伸ばそうとして育てるためではないかと考えられています。
つまり、多くの例で見られるように、食習慣や食べ物の好みなど、生活環境によってつくられる違いはあっても、性格の形成が遺伝子の影響を多く受けているということがいえます。
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