佐藤隆の特別講座
- 冨高先生の「なぜうつの人が増えたか」のお話しに敬意
テーマ:富高先生の研究「なぜうつ病の人が増えたか」に敬意!
メンタルヘルスなどでの問題点としては、ここ10年間でうつ病が2~4倍に増加している。リストラ説、ストレス説、新薬登場説とその原因を想像する説はいろいろであり、各新聞報道に流されている。
「心の病」で休職している人はもちろん、転職の話や雇用形態によっても異なるが、おおよそ100人に1人といわれている。パナソニック健康保険組合の富高辰一郎部長(精神科医)は、異なった観点からその原因について調査研究している。それは①「うつ病」への啓もう活動が進み、誰でも受診しやすくなったこと、②世界各国でもパキシルなどの{SSRI}が発売された時期と重なる」...と述べている。日本では1999年以降うつ病が激増傾向。
杏林大学の田島治教授は、製薬会社の「落ち込んだ時は、うつの積極的治療が必要」というCMを見せた後では、見なかった学生の6割がそうだと考えるようになった。CMの影響の強さを指摘している。
メンタルヘルスの専門家も過剰なうつのCMに疑問を感じる人も出てきている。
イギリスなどでは抗うつ薬のプラセボーとの比較において有意な効果にエビデンスが見いだせていなことから、軽い「うつ病」や「不安障害」にも薬を使わないで心理療法などにより対応している。
お話しのモデルをまとめるとSNRIの普及と「うつ病の人の増加に相関がみられる」ということになります。
しかし、今日のような実態ですと、すでに多くの会社の人事部長や、精神科や心療内科を受診するとうつ病にさせられすぐ休職に入ることになっているから、あまり勧められないというコンセンサスができていることがあります。
これによって不幸なことが2つあります。
① 必要でない人が「うつ病」と診断される不幸
② 本当に具合の悪い人が受診しない不幸
を生じさせることになります。(1) なぜ日本は薬物についてイギリスのような薬の効果についてエビデンスをして大衆に知らせてほしいですね。
(2) 組織構造のように個人の努力の範囲を超えているものであれば、イギリスのように国の機関により薬のエビデンスをプラセボーとの比較により行うのがいいと思います。
(3) イギリスにならい中程度以下の「うつ病」と「不安障害」には薬を出さず、臨床心理士による認知行動療法をしっかりやる方向も必要と思いました。冨高先生、とてもいいお話しでした。ありがとうございました。追伸:私としては以下のような感想をおもちました。
(1) 学会では日本の精神科医の他の先生はどのように考えているのでしょうか。
(2) もと日本生産性本部の久保田先生は、おなじように、その著「間違いだらけのメンタルヘルス」で問題を指摘しています。
(3) 日本の「うつ病」の権威の野村総一郎先生の本を読むと、哲学的な意味も含めて「うつ病」は本当に病気なのか、難しい病気という認識が高まります。
(4) 臨床心理の、亡くなった河合隼雄先生は、うつ病は創造的病で日々成長をもたらす、といったポジティブな面を強調されています。ポジティブ心理学の導入。これからの課題です。
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