メンタルヘルス最前線②||佐藤隆のストレスブログ

佐藤隆のストレスブログ

メンタルヘルス最前線②

2013.02.20 17:45:00

 

メンタルヘルス最前線②"やり手主任が最近なんとなく無気力になってきた"

                                                  総合心理教育研究所主宰  佐藤 隆

 

キーワード

1.メランコリー、2.中高年の「心の危機」(ミドルエイジ クライシス)、3.ユング心理学、

4.ナンシー・メイヤーの「心の危機克服のための13の指針」

 

 A子主任(40歳)は、目標を持って仕事をバリバリやってきた。給料もいいし、夫と二人で築いた立派なマイホームもできた。子供も二人とも素直にすくすくと育っている。自分の人生は成功しているし、何不自由ない。職場の人間関係もよい。しかし自分の心の中には、何かポッカリと穴があいたようで妙にメランコリーになってしまうのだった。職場の若手も「なんだか主任、元気がないみたい」と心配している。

 

 

<中高年の"真昼の峠"のメランコリー症状への処方せん>

 40歳代のノイローゼ患者数は、数年前に比較して増加し、また男性の自殺者数では40代が最も多くなっている。アルコール依存症や睡眠剤中毒者も多くなってきている。

 小生が数年前に行った「気分良く生きるためのストレス調査」では、アメリカ国立精神保健局の「うつ尺度」の20項目の中で、特に不眠を訴える項目に中高年の人々が多かった。さまざまな調査データを見ても、現代の中高年者はまさしく"ストレス世代"を意味するものであろう。

 この悩み多き中高年世代の危機については、

 ①健康への不安感の増大

 ②メンタルな面での動揺

 ③やがて訪れる定年への不安

 ④ストレスと孤立

 ⑤人生下降曲線の自覚とゆううつ

があげられよう。

 

 現代の人事労務制度のもとでは、安定保障がいずこの企業でも整備されており、40歳ころになれば、今後の自らの昇進の予測あるいは定年までの給料の推移、そしてその後の年金保障の金額等々、あまり誤差のない範囲で計算することは、そう困難なことではないだろう。

 今までの人生とこれから進んでいく人生を考えたとき、「俺の後半のサラリーマン生活もこんなものか」と思うのか「まだまだ未来は明るく希望に輝いている」と見るのかによって「心の状況」が大きく異なってくる。

 心理学者ユングは、「心の危機」について「人生の前半が昇る太陽であるとするならば、40歳を過ぎての後半の人生には、人は傾き沈んでいくことに人生の意義を見い出さねばならない」とし、この意義の変化には同時に"危機"も含んでいるとしている。

 前述のケース、A子主任も「ヤレヤレ症候群」で一生懸命働き、なんとかうまくいってきた。ヤレヤレと思ったときに、「自分は何か大切なものを犠牲にしてきたのではないだろうか。人生の後半は何を目標に汗を流せばいいのだろうか・・・」こんな思いが心に訪れたのかもしれない。

 ナンシー・メイヤーは、中年期に訪れるこのような「心の危機」克服のための指針をあげている。参考になれば幸いである。

 

<ナンシー・メイヤー「心の危機克服」の13の指針>

 ①中年の危機をまじめにとらえること

②悲しむ必要を認めること

③自分の人生に責任を持つこと

④自分の主義主張と目標を再評価すること

⑤新しい喜びを与えてくれるものを見つけること

⑥自分の感情に触れること

⑦からだを大切にすること

⑧セカセカ型の生活パターンをやめること

⑨現実的になること

⑩人生の棚卸しをすること

⑪自分の考えを他人に話してみること

⑫突然にあまりにも多くのことを考えないこと

⑬まず小さな変化を試みること

などである。

このページの上部へ

アクセスマップはこちらから